人類未踏の超高齢社会をデザインする

Value Creating Design Hub for Super-Ageing Societies

京都大学 超高齢社会デザイン価値創造ユニット

情報学研究科 教授 鹿島久嗣先生

京都大学大学院 情報学研究科 鹿島研究室のホームページ

http://www.ml.ist.i.kyoto-u.ac.jp/members


研究テーマ


1.ご略歴

 京都大学工学部数理工学科卒業、同大学院工学科博士前期課程修了の後IBM東京基礎研究所勤務中の2007年3月京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了。
 東京大学大学院情報理工学研究科准教授などを経て、2014年4月より現職。

2.先生のご研究について

 人工知能分野の一つである機械学習の研究を行っている。特に、様々なタイプのビッグデータの解析を行う新しい方法論の開発や、医療分野をはじめとする様々な分野におけるデータ解析技術の先進的応用に取り組んでいる。近年では、人間と人工知能が協力して問題解決に取り組む仕組みを研究している。

3.これからの社会についてのお考え

 ICT技術やセンサーの普及によって、多種多様なデータが生み出され蓄積されてきており、今後はそのデータをどう分析して役立てていくかというデータ段階にある。すでにWeb解析やマーケティングなどでも利用されているデータ解析技術は、ヘルスケア領域への応用が積極的に進められており、医療画像や検査データ、カルテなどから病気を推測するような研究が進められている。
 医療分野に関しては、これから高齢化がさらに進展することにより、医療費がより増大する可能性があり予防医療が重要になってくると考えている。

4.「これからの社会のありかた」と先生のご研究の関係について

 予防医療領域において、データをもとに「将来この病気になる可能性がある」と情報提供や指導を行うことで、疾病を予防し健康状態が維持され、ひいては医療費の削減につながる可能性があると考えている。
 機械学習を活用することで、どういう要因が病気や健康と関係しているかという精度の高い予測モデルを作成できると考えている。人の命がかかわる医療分野では、予測モデルから導き出された結果が、病気とどう関係しているのか説明ができないと納得されず安心して活用されない点が、研究上の課題の1つである。

5.本アライアンスへの意見、期待

 医療の分野においては、問題設定が意味あるものか、導き出された変数が意味あるものかを確認しながら行っており、今後も協力して研究を行っていきたい。異なる分野の本質を理解することは困難であり、お互い歩み寄り理解し合いながら進めていきたいと考えている。