京都大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士後期課程修了
福井赤十字病院、ドイツ・ザール大学生理学研究所などを経て2010年7月より京都大学大学院医学研究科加齢医学講師、2014年4月から同臨床神経学講師を務める。2016年4月から現職。
認知症でも進行のスピードなど種類や個人によりさまざまな違いがあり、なぜそういうことが起きるかに関心を持っている。認知症を理解するうえでは医学的・社会的2つの側面があり、双方をつなぐような研究をしていきたいと考えている。その中で、認知症をいかに早期に、費用のかからない方法で適切に診断をしていくかもテーマに研究をしてきた。
認知症が病気であるという理解は広まっていると思うが、認知症に対する悪い疾病観を持っている人は多い。本人の自立性が保てなくなりその期間が長いという点で認知症が怖い病気であることは事実である。しかし、本人や社会の認識がよければ、社会のサポートを受けながら楽しく生きることは可能であると思う。認知症の人でも社会参加をしていく、認知症を否定的にとらえないなど、認知症に対するイメージを根本的に変えていってもよいと考えている。
認知症を考えるうえで、家族や周りの地域がどうかかわっていくかが重要であり、認知症を持ちながら生きていく人の価値を考えていく必要がある。医療の専門職に限らず一般社会の認知症に対する知識が向上するために、知識の普及をする必要があると考えている。よりよいかかわり方、知識の普及につながる研究を今後も続けていく。
日本社会は超高齢化社会であり、今後国際的にもこのような地域は増えていくと考えている。長寿社会を医療経済的にどう成り立たせていくか、社会をどう維持していくかということは重要であり、その解決につながる取り組みをしていきたい。